人の医療と同じように、輸血は多くの命を救う力があります。
献血ドナーへのご理解とご協力をお願いいたします。
供血にご協力いただいた動物には、ワクチン接種と健康チェックを
それぞれ1回ずつ無償で行っています。
検査・手術に関する
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診察来院時、
またはお電話でお願いいたします。
(電話受付時間:9:00~19:00)
犬猫の献血制度に関して
当院では、日々、病気と向き合う犬や猫の診療、手術、そして入院治療を行っています。
なかには出血や病気の影響で重度の貧血となり、輸血が欠かせないケースもあります。
しかし、動物医療には人の医療のように整った献血制度や、血液を保存・分配する公的な仕組みが存在していません。
そのため輸血が必要になったときには、健康な若い犬や猫から、その都度血液を提供していただく必要があります。
中部動物病院では、一頭でも多くの命を救うために、献血ドナーとしてご協力いただける犬や猫を募集しています。
献血登録と流れについて
1.ドナー登録
当院では、献血ドナー登録の条件や手順についてご説明し、その際に血液型の判定と登録も行います。まずはお気軽にご相談ください。
2. 献血依頼
緊急で輸血が必要になった場合には、登録いただいた飼い主様にご協力をお願いすることがあります。突然のご連絡となる場合がございますので、あらかじめご了承ください。ご来院いただき受付を済ませた後、献血はお預かりで実施いたします。お預かりからお返しまでの所要時間はおよそ2時間です。
3. 健康診断
献血前には問診と健康診断を行い、献血が可能な状態であるかを確認します。検査内容は身体検査と血液検査です。
4. 献血採血
採血は頸静脈から行い、毛刈りと消毒をしたうえで獣医師が実施します。採血量は体重1kgあたり最大20mlを目安とし、ドナーに負担がかからない範囲で調整します。
5. 点滴
採血後は止血を確認し、採血量と同量以上の点滴を行います。帰宅後は念のため安静にお過ごしいただき、翌日からは普段通りの生活が可能です。
ドナー登録の条件について
登録できるのは、以下の条件を満たし健康状態に問題のない犬や猫に限られます。
基本的には当院での診察歴があり、採血時に暴れず落ち着いた性格であることが望まれます。
|
犬 |
猫 |
年齢・性別 |
1歳から7歳
交配予定のない男の子・妊娠経験のない女の子 |
体重 |
10kg以上 |
3.5kg以上 |
予防・検査 |
混合ワクチン、 狂犬病ワクチン、
ノミ・ダニ・フィラリア予防 |
猫白血病・エイズ検査、
混合ワクチン、
ノミ・ダニ予防 |
飼育環境 |
屋内・屋外どちらでも可 |
完全屋内飼育のみ |
鎮静処置について
採血は頸静脈から行うため、動物が不意に動いたり暴れたりすると、周囲にある神経や動脈を傷つける恐れがあります。そのため、安全を確保する目的で鎮静処置を行う場合があります。鎮静は十分に状態を観察しながら、最大限の注意を払って行いますが、獣医療においては予期せぬ事態を完全に防ぐことはできません。その点をご理解ください。万が一異常が見られた場合は、直ちに採血を中止し、適切な処置を行います。
犬と猫の血液型について
輸血を行う際には、血液を提供する側(ドナー)と受け取る側(レシピエント)の血液型の相性を確認する必要があります。ここで重要になるのが血液型です。
人にはA型、B型、AB型、O型の4種類の血液型がありますが、犬や猫はそれとは異なる分類になります。
犬/輸血する場合の組み合わせ
血液を提供する犬
(供血犬) |
血液を受ける犬(受血犬) |
DEA I.I(+) |
DEA I.I(-) |
DEA I.I(+) |
◯ |
✕ |
DEA I.I(-) |
◯ |
◯ |
犬にはDEA1.1+とDEA1.1-の2種類の血液型があり、DEA1.1-の犬にはDEA1.1-の犬の血液のみ輸血できます。多くの犬はDEA1.1+であり、全体の60%~80%ほどとされています。反対にDEA1.1-の犬は珍しく、全体の20~40%ほどと言われています。
猫/輸血する場合の組み合わせ
血液を提供する猫
(供血猫) |
血液を受ける猫(受血猫) |
A |
B |
A |
◯ |
✕ |
B |
✕ |
◯ |
猫には A型・B型・AB型 の3種類の血液型があり、基本的には同じ型同士で輸血を行います。猫はA型が最も多く全体の70〜90%を占め、B型は10〜30%、AB型は1〜5%程度しか存在しないとされています。